二十五年産の動きを聞く
高知の稲作専業農家のKさんに二十五年産の動きを知るべく訪ねた。Kさんに連れられ「なつひかり」の田んぼを見学したが、もう開花時期になっているようで小さな米の花がついていた。Kさんの話ではこの調子だと七月半ばには稲刈り、続いて「コシヒカリ」と言った具合に忙しい農作業が連続。現在でも息子さんと手分けして依頼された農薬のヘリコプター散布に毎朝五時から働いているとのこと。また、九月以降、自分の農作業を終えると六トン車にコンバイーンを載せ、遙々山陰地方の稲刈りに出張するとのことで、その作業ももう十年位続いていると話をしていた。数年前、高知の農家が山陰の農作業を請け負っていると噂されていたがその当事者がKさんだったのは些か驚いた。ご自身の作付けしている田んぼは二十七ヘクタール、所有地は七ヘクタール。販売は全てKさん個人が販売網を作り、そのルートで完売。ご自身が売るのは五百俵程度、その他はKさんの減農薬農法を知ったその種の米を取り扱う専門の販売業者に任せているとのことだ。高知の稲作専業農家にとって三月から九月までいつでも米作りが可能なので国から言われる五割減反を守り、戸別所得補償をもらうなどと言うことに組みするわけにはいかない。それゆえ、国からは転作作物の一部の補助を貰ったことはあるがそれ以外は貰っていない。全国各地で戸別所得補償の大波に多くの稲作生産者が飲み込まれて行くなかで独立独歩で農業経営を行っているKさんの姿は何となく清々しさを覚える。ただ、話はつい二十五年産米の米価になるが現在のところ高値で推移が弱含みになり平均して一俵千円から千五百円ダウン、この下降線がそのまま夏場まで続くかどうかだ。農協も米卸も米蔵に山積みの二十四年産米を見てその米をどう処理するか思案投げ首と言ったのが現状。なによりも痛いのは米価の値上げで消費者の米離れ、中食業者の米の使用量の減量等が消費量の減少をまねいている。二十五年産は前年の過ちを繰り返さないようにしなくてはいけないが・・・。